東京豆花工房の豆花を食す
- Shinichi Saeki
- 5月31日
- 読了時間: 3分
更新日:6月3日
バファリンの半分は優しさでできている。
そんな広告コピーを前置きしつつ、
豆花の薄甘さも優しさでできている気がする。
今回ご紹介するのは「東京豆花工房」。

神保町、秋葉原、御茶ノ水からほど近い、神田は須田町にあるお店。老舗有名店のそろうこのエリアには、「神田まつや」、「神田ぼたん」、「竹むら」、「かんだやぶそば」、「近江屋洋菓子店」などがある。
話はそれるが、御茶ノ水で思い出すのは、『男はつらいよ』寅さんの口上。
「四谷赤坂麹町、ちゃらちゃら流れる御茶ノ水、粋な姉ちゃん立ちしょんべん。白く咲いたが“ゆり”の花、四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水くさい。一度変われば二度変わる、三度変われば四度変わる。」
東京豆花工房は神田川からもすぐ近くにある。 そして、寅さんの口上をもうひとつ。
「なぜこんなにお安い品物かというとね、本来ならばこれ、輸出する品物なんですよ、あんた。なんで輸出ができないかというと、はっきり言っちゃおう。今まで言わなかった!わたくしが知っている東京は花の都。神田は六法堂という大きな本屋さんが、わずか百五十万円の税金で、泣きの涙で投げ出した品物!だからこんなに安い!」
寅さんの口上に浸りつつ、何が言いたいのかというと、自分はよく神保町で本を見て、お昼ご飯で腹を満たしてから、ふらりと立ち寄るのがこのお店ということ。(神保町の行きつけのお店の話はまた別の記事で)
前置きが長くなってしまったが、東京豆花工房で提供される、台湾の伝統スイーツ「豆花」は、「薄甘く柔らかいもの選手権」があったらきっと1位になるに違いないと自分は思っている。

メニューは豆花一択だが、トッピング(白玉、粉粿、ピーナッツ、小豆、白きくらげ、はとむぎ、緑豆、紫米)の有無を選ぶことができる。自分が食べるのは、いつもトッピング全部のせだ。ちなみにトッピングは、どれを選んでも料金は一緒。

豆花と一緒にトッピングを口に運ぶと、それぞれの食感と甘味によって、食べ進む間に変化(リズム&ハーモニー)が生まれ、楽しい気持ちにさせられる。

そして、冒頭で「豆花の薄甘さも優しさでできている気がする」と書いたが、本当に薄甘くて美味しい優しいお味。
コンビニなどにあふれる、甘味料と香料を混ぜた砂糖の塊のようなスイーツとは一線を画す。もちろんコンビニのスイーツも美味しい。だがその美味しさには、一口目のインパクトや、陳列したときの見た目などを重視するあまり、脳に刺激がガンとくるような、ともすれば“暴力的”とも言える美味しさの刺激が伴っている……。
そんなスイーツの“対極”にあるスイーツとも言えるので、ご興味のある方はぜひ、この豆花を味わってほしい。
Shop info
東京豆花工房
住所:〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1丁目19