前段
誰から依頼されるでもなくWOW佐伯が企画中のTVシリーズ「世界大統領」を紹介します。本TVシリーズは、人・社会のあり方を見つめ、リアリティーのある社会構想を落とし込みたいと考えています。「どんな社会を作るか?」その構想を練り、施策を推し進める世界大統領とその周辺(執行部、世界議会など)の姿を描きます。世界大統領が取り組むグローバルアジェンダとはなにか?それは解決できるのか?解決を阻害する要因とはなにか?果たして世界大統領とは何者で、どうやって生まれたのか?そして世界大統領に迫られる究極の選択とは?
ジャンルはSFになりますが、ドラえもんや攻殻機動隊、ターミネーターといった有名なSFとは一線を画す設定を考えています。やはり、善悪の二元論を土台とした話はすでにお腹がいっぱいで、その先に進まなければならない。そんな課題も前提とした企画です。
タイトル
「世界大統領」
近未来社会構想ドラマ・活劇・社会派サスペンス
毎話60分 全8話予定
知的会話・論証・論考をドラマ化する。最新のデータビジュアライズをふんだんに使用し、現状分析から予測まで複数の社会的視点を提示するとともに、視聴者の思考を促し、現状認識を揺さぶる。
プロローグ
西暦2050年、気候変動、食糧難、戦争、経済、麻薬等の問題が深刻化し、世界各国が協調する形でハイレベルな取り組みを実行することになった。それを担うのが世界大統領と世界議会である。
この物語は、人類史上初の世界大統領と世界議会がどのような施策を、どのように検討、決定、実行するかを描く近未来社会構想ドラマである。新たな社会モデルを構想し、視聴者に提案したい。この提案は、正解を示すものではなく、人々に批判・内省・思考・議論を巻き起こすものとして機能させたい。つまり、このドラマは人類の行く末を考える実験場といえる。
不安や怒りを煽り、善と悪、権力者と非権力者、資本主義と共産主義、リアルとバーチャル、デジタルとアナログのようなわかりやすい二項対立の物語には、既視感と限界がある。その先がみたい。
世界は、2000年前後から社会の構成要素が大きく変化している。下図からは、人口が100億人となり、光(メディア網)が世界を覆い尽くすまでの期間が見て取れる。まるで階段を上がるような舞台転換に見える。
交通網とインターネットの発展により、これまで別々の時空で存在していたコミュニティーが否応なく関係性を持つようになったことで、衝突や摩擦が頻発している。個人の意見が大量に溢れかえり、国家や企業による情報工作が人々の衝突や不安を助長している。環境の変化を恐れる人々は、「敵が自分の居場所や守ってきた伝統を荒らしに来る」とばかりに、多様性を拒否する差別主義者となっていく。2023年現在のこうした状況は先進国各地で起きている保守層の衰退の正体である。だが、こうした状況は変化の初期段階に過ぎない。
おそらくは、現在進行している舞台転換によって、第二のルネサンス期(多様性に満ちたオルタナティブな社会の勃興)が訪れると企画者は考えている。この大転換を前に人類はどのような取り組みをするのであろうか?
各話の構成要素
第1話:世界大統領を阻む勢力
└ 利害関係が一致する、軍事産業、大資本家、政治家、エネルギー産業の四位一体の支配構造(暴力・資金力・権力・電力)
第2話:世界大統領と世界議会が検討するグローバルアジェンダ
└ 戦争
└ 移民人種政策
└ 経済格差・貧困
└ 気候変動
└ 食料危機
└ 国際犯罪
第3話:資本税の導入、地域通貨の活用
└ 富の過度な集中による弊害が生まれないようにする枠組み作り
└ 法人に対するお金の影響力が絶大という問題点の克服
└ 税金の使途の透明化と効率化
第4話:戦争・紛争を終わらるために
└ 2022年の世界の国防予算総額は推定2兆3000億ドル(314兆円)と空前の規模に上る
└ 軍事費の削減
└ 軍産複合体と政治の距離を保つ
第5話:気候変動対策・食料危機
└ エネルギー問題
└ 食料問題
└ 自然破壊
└ 共生
第6話:市民社会の勃興(ルネッサンス)の予見
└ 人文知の社会実装
第7話:世界大統領はどうやって選ばれたのか?
└ 実は世界の人々が語っていた?
└ 個人だと思っていたら我々(100億人)の意思だった?
第8話:きたるべき社会
└ 国民国家の終焉
└ イデオロギーを超えて
└ OURS
└ カントのコスモポリタニズム?
└ 幻想なのか現実なのか、次の時代に必要な認識は世界市民である
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