90年代、00年代を過ごしてきた先輩に昔と今のオススメの楽曲を聴いて今後の音楽シーンを考えるヒントをつかむインタビュー連載「アニキに聴いてみよう!」。第2回は、WOWプロデューサー & Dugup? エディターの佐伯さんです!
- 10代、20代(90年代、00年代)の頃はどういった環境で音楽を聴いていたか、思い出などを教えてください。
毎週末仙台のクラブ(Squall, GHETTO, BlueBlue, Shaft etc,,,)に出入りしつつ、一番町にあったHMVでCDを視聴し、レコードショップ(STORE15NOV, Disknote etc,,,)でアナログを視聴したりとメジャー、インディー、アンダーグランドまでを跨いで聞いておりました。当時を思い出すとクラブイベントに毎月マニアックなゲストが召喚されたり、個性豊かなDJのプレイを毎週のように体験できていたのでとても恵まれていたと思います。今のようにゲストDJについての情報があまり無く、気になったらともかくクラブに行って聞くしか無い状況がワクワク感や驚きを生み出していたんだと思います。知らない楽曲を爆音で浴びるように聴く体験が刺激的でした。今は発信力に重きがおかれすぎて、情報を出しすぎている感があるのではないでしょうか。ジブリの最新作「君たちはどう生きるか」は事前情報を出さないことでワクワク感を甦らせたのだと思います。世阿弥の「秘すれば花なり、秘せずは花なるべからず」という言葉も思い出されます。
- 10代、20代(90年代、00年代)を振り返って、オススメの楽曲(CD,レコード、カセットテープ)、ミュージシャンを教えてください
2000年発売のSasha & John Digweed 「Communicate」とUnderworld 「Everything Everything」、Sasha & Darren Emerson 「Scorchio」、2002年発売の Sasha「airdrawndagger」です。これらの音楽とビジュアルは当時ものすごく鮮烈で繰り返し聞いていました。
この流れでIBIZAも知ることとなり、Chill out の代名詞的なコンピレーションシリーズ「REAL IBIZA」もだいぶ聞いてました。
※写真は佐伯氏私物
中でも2001年発売のREAL IBIZA 4と2002年発売のREAL IBIZA 5(ともにDJ MIX BY PHIL MISON)は極上です。今でもCDをとってあります(笑)。夏にぴったりなので是非聞いてもらいたいです。
- 当時の音楽シーンから影響を受けたことがあれば教えてください
多大なる影響を受けているのですが、少しだけ。当時はカウントダウンTVを見て、流行曲を覚え、みんなでカラオケで盛り上がる、という文化もあったと思うのですが、クラブカルチャーはその逆で、みんなが知らない曲を知っている、そのレコードを持っている、もしくは自分たちでリミックスやブート版を作っちゃうのがかっこいいという文化でした。はたから見ると少し鼻につくような感じだったのかもしれないのですが、僕は大好きでした。今でもそういった価値観が自分のベースにある気がします。
- 最近90年代ブームともいわれ、90年代、00年代のエッセンスを感じる楽曲が出てきていますが、最近のオススメ楽曲を教えてください。
この話の流れで紹介するとしたらKelela(ケレラ)のニューアルバム『RAVEN』です。このアルバムには自分が過去に影響を受けたダンスミュージック、R&B、Chill out までのサウンド要素が全て高次元にアップデートされて詰まっていると思います。
なんと、2023年9月3日に東京・神田スクエアホールでKelelaの来日公演があるんです(笑)。行ってきます(笑)。
KelelaはMVも必見です。こちらは、流行りのヴァーチャルプロダクションを使って制作されたものかと思いきや、エチオピアのダナキル窪地砂漠平原で撮影したそうです。美しい風景の連続に圧倒されます。
- 今年、来年、行ってみたいライブイベントがあれば教えてください
ここ数年でライジングしている Massano のDJを聞いてみたいです。話題のAfterlifeから楽曲をリリースしたりしてます。DJ Sasha が好きな人は絶対好きだと思います!以下のYoutube 映像冒頭で流れる Daft Punk - Harder Better Faster Stronger (Massano Edit) から雰囲気でまくりです。
- ありがとうございました!Massano は初来日が待たれますね!
次回インタビューの公開日はまだ未定ですが、次々とアニキ・アネキたちが登場予定です。お楽しみに!