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インタビュー「アニキにきいてみよう!」- 03

  • 6月11日
  • 読了時間: 19分

90年代、00年代を過ごしてきた先輩に、昔と今のオススメを聴いて今後の潮流を掴んでみようというインタビュー連載「アニキにきいてみよう!」。第3回は、グラフィックアーティスト、アートディレクター、映像作家、Concept Conception*UTRC、illegulerを率いる、Re:jector a.k.a Seishi Onoさんが登場です!



佐伯:今回は、インタビュー「アニキにきいてみよう!」にご登場をお願いしたいということで伺いました!


Re:jector:うん。


佐伯:このインタビュー「アニキにきいてみよう!」はまだ3回目で、1回目がアブミさん2回目が佐伯さん、3回目がRe:jector(リジェクター)さんです。


Re:jector:もう、全員俺らじゃん(笑)。


佐伯:そうなんすよ(笑)。で、このインタビューでは、何をアニキに聞くのかというと、まだ10代、20代だった、90年代と00年代に、いいなって思っていたミュージシャンやデザイナーがいたと思うのですが、まずそれを聞かせてもらって、その後に、じゃあ今はどうかをお聞きして、昔と今の潮流を探れればと思っている次第です。


Re:jector:オーケー。


ハブになっていたリアルな場所、人、モノ


佐伯:ということで、 まず一つ目の質問なんですが、10代、20代、つまり 90年代、00年代の頃は、どういった環境で、アートやデザイン、音楽に触れていたか、思い出などあれば聞かせてください。 


Re:jector:当時は、主に雑誌だよね。古着屋に置いてあった古本とか。古着屋の人たちと仲良くなって見せてもらったりして。あとスケーター誌とか。


佐伯:うんうん。


Re:jector:あと、スケーターのビデオ、ヒップホップのビデオ。


佐伯:はいはい。VHS時代。


Re:jector:もろだよね。ビースティーボーイズを追っかけてました!みたいな。


佐伯:Re:jectorさんが見てたビデオの名前って覚えてます?


Re:jector:いやー、ビデオはTHRASHER(スラッシャー)のとか見てたね。 あと何見てたっけ? Spike Jonze(スパイク・ジョーンズ)のMVとか。あとは、なんかMTVが流れてる有線?的なのを流す喫茶店とかあったじゃん? 



佐伯:はいはいはい。


Re:jector:あとはボウリング場に行くと流れてるミュージックビデオとか?(笑)


佐伯:あれね(笑)。 


Re:jector:そうそう(笑)。そういうので見て、なんだこれっ!ていうのがあったよね。あとは、仙台の先輩たちがディグってるレコードとか。 


佐伯:レコード屋さんか〜。


Re:jector:俺らだったら、地元の先輩とか、そこら辺だったよね。あとは、ファッション的な部分では、俺らも大好きだったGOODENOUGH(グッドイナフ)の服とかそこら辺もあったけど、途中からGOODENOUGHの服を着すぎてるとダサいみたいな感じに思えるようになってきたりして(笑)。UNDERCOVER(アンダーカバー)着てると、「ちょっと、こいつフェミってて嫌だ。」みたいなとかがあったり(笑)。 


佐伯:全身がそれだと、、、みたいな(笑)。


Re:jector:そうそう、個性が逆にないみたいな。それでこじらせてゴルチェ(Jean Paul Gaultier)とかマサキマツシマを着てる奴とかいたけど、もはや意味がわからない感じになってくる。 超面白かったけど(笑)。あとタワレコによく行ってたね。


佐伯:今はなき、仙台フォーラスの一番上の階にあったよね。


Re:jector:タワレコと同じフロアにあったオクトパスアーミー(OCTOPUS ARMY)は、昔のDJ Premierが手がけるGang Starrとかそこら辺の曲がボンボンかかってて、どちらかというと、ニューヨークサウンドみたいなのがすごい流行ってて、


佐伯:うんうん。


Re:jector:でも、仙台駅の西口とか東口のちょっと外れたぐらいのとこにあった古着屋さんちょいちょいあったじゃん?


佐伯:あったね。


Re:jector:そこら辺とかはウェッサイ(Westside)系のレゲエとかダブみたいなのがかかってて面白かった。そういった場所で流れている音楽や、そこにある雑誌を読んだりしてたね。あとは海外のアンダーグラウンド・コミックとか。 なんでこんなのが仙台にあるんだろう?っていうのを読んだりしてね。


佐伯:なるほどぉ。当時を思い返すと、ハブになってる場所と人があって、みんなそこにアクセスしてたっていう感じですよね。


Re:jector:してたねー。みんなそこに行ってモノを探して買ってたよね。


佐伯:確かにねぇ。今の若い人もそういう場所欲しいよね、みたいな感じで、ちょっと潮目が変わってきてたりするんですかね?


Re:jector:今は、それがSNSなんじゃない?年齢関係なくアカウント自体に人が集まるみたいな。


佐伯:そっか、アカウントになっちゃってるのか。


Re:jector:そうそう。


佐伯:リアルな場所ではないのか。


Re:jector:リアルな場所でいうと、今だと、タトゥーの彫り師の人たちが、いろんなカルチャーをディグりまくってるから、その彫り師たちが集まるバーみたいなのがハブになってたりするかもね。


佐伯:へえ。


Re:jector:彫り師の人たちが行く店は、すげえ和彫りとか、トライバルとかガンガン刺青入ってる人たちがいるんだけど、そういう人たちって、「好き」の塊な人たちが多いから、なんか同じ匂いを感じるよね。それが引力になっているのか、俺らの年代とか、ちょっと若手でストリート系の奴らとかが集まってる店が結構ある。 


佐伯:表に出づらいカルチャーだからこそ、そうなってるって感じなのかなぁ。 


Re:jector:そうかもねぇ。だってパンクとかも、全部そうじゃん。


佐伯:確かに、元々そうっすよね 。パンクスも、ヒップホップも、ハウスもテクノも今は表に出ちゃってるけど、成り立ちは違ってた。


Re:jector:そう、権力とかプロパガンダに対する批判とかそういうのもあるじゃない? 


佐伯:元々そうだったんですよね。


Re:jector:そう、いわゆるアンチと、ライオットな感じがあったじゃん。そこら辺が、今はカルチャーっていうか、何かひとつのショウビジネスに変わっちゃったよね。とはいえ、そんな中からでもケンドリック・ラマーのように普通のインテリラッパーじゃなくて、他の奴らが文句言えないルーツを持った本物も出てきたりもしている。父親がGangster Disciples(ギャングスター・ディサイプルズ)の末端で、、、、みたいな。で、俺たちみたいになるなっていわれて、 それで大学までちゃんと卒業して、、、なのにラッパーになるっていう。


好きだったモノ・コト・ヒト


佐伯:はいはいはい。 ちなみにそういう環境でいろいろなものに触れてる中で、10代、20代の当時、Re:jectorさんが好きだったデザイナーやミュージシャン、アーティストとか、当時で言うと、例えばミックスCDとかでもいいんですけど、思い出のモノってあります? 


Re:jector:ミックスCDといえば、あれだよね。テクノだったら、I am not a DJがやばかったよね。


佐伯:えー、なんだっけそれ?


Re:jector:田中フミヤ。


佐伯:あー。田中フミヤさんか。



Re:jector:そうそう、「なんじゃこりゃー!」ってなったよね。あとは、EMMA HOUSE(エンマハウス)だよね。


佐伯:EMMA HOUSE!



Re:jector:そうそう、もう間違いないよね。


佐伯:石巻出身でしたっけ?


Re:jector:気仙沼だよね。


佐伯:気仙沼だっけ?


Re:jector:そうそう。それこそね、俺はテクノとか、ハウスとか、すごい聴いてて、高校一年ぐらいからDJやってるけど、もうまさにEMMA HOUSEなんかはど真ん中だった。話は変わるけど、Wu-Tang Clanってわかる?


佐伯:いやー、わかんないっす。


Re:jector:ヒップホップの、フード被って、白い、こうやって、、、。


佐伯:うーん、なんだろう。そういうユーチューバーさんみたいな、、、。


Re:jector:それラファエルだね(笑)。 Wu-Tang Clanってこれね。このロゴ見たことあるでしょ?


佐伯:はいはいはい。


Re:jector:ENTER THE WUTANG。このジャケットも超かっこよくてね。昔フーディーとか着てたけどさ、



佐伯:うんうん。


Re:jector:ガチでこうやってかぶるとかってなかったじゃん?でもさ、ニューヨークのコンプトンの奴らとかって、みんなこういう風にやってて、マジで怖いわけよ。でもすごいかっこよくて。このアルバム買ったもん。 


佐伯:いいですねぇ。I am not a DJ / Tanaka FumiyaとENTER THE WUTANGですね。


Re:jector:とギャングスター。


佐伯:ああ。


Re:jector:今でも聴いてるし。


佐伯:今でも聴いてる!


Re:jector:田中フミヤは聞いてないけど(笑笑)。


佐伯:(笑笑)。


Re:jector:Wu-Tang Clanは今でも超聴いてる。


佐伯:いいですねぇ。


Re:jector:このあいだ、SupremeとWu-Tangがコラボ出したのよ。


佐伯:へえ。


Re:jector:速攻で購入した(笑)。


佐伯:いいっすね。当時って、音楽がデザインもアートも含んだもので一番手に取りやすいものだったんでしょうね。


Re:jector:そうだと思うよ。ジャケ買いっていうのもまさにそうだと思う。テクノ周辺だと、New Order / Blue Monday(ニューオーダー / ブルーマンデー)とか、Factory Records(ファクトリー・レコード)Peter Saville(ピーター・サヴィル)はもうモロだったよね。「なんだこりゃ?」 ってなって、「カッケー!!」みたいな。 

佐伯:当時は、そういうのが輸入されてくると、いちいち新鮮さがあったっすよね。


Re:jector:あとUKのレーベルはUKっぽさがあって、ドイツはドイツのフォントの使い方があってとか、アメリカはもうアメリカ!みたいな。


佐伯:うんうん。


Re:jector:あとレコードとかさ、そのジャケットの紙質がもうさ、国によって違うじゃん。


佐伯:うんうん。


Re:jector:それぞれの国の匂いを感じるって、勝手に自分の脳中で服とか音楽とかバイナルとかジャケットの紙質とか、諸々のパズルがちゃんとハマっていく感覚があったよね。 


佐伯:はいはい。


Re:jector:だから紙もののデザインとかみんな好きだったんだと思う。


佐伯:当時は、ジャケに手で触れてたからってことですよね。


Re:jector:そうそうそう。


佐伯:いやー、そっか。今の話を聞いてて思い出したんですけど、アメリカ、 UK、ベルリンなど世界の主要都市からワーッと集まってきたレコードを一緒くたに聴いてたのが、東京や仙台のクラブシーンだったとしたら、それが面白かった90年代00年代だったんじゃないかなって俺は思ってたんですよね。 


Re:jector:そこには、バイヤーっていうのがちゃんといたよね。


佐伯:15Novの青山さん。


Re:jector:15Novの青山さん、あれはすげえよ(笑)。もう「なんで?」みたいなのがちゃんと売ってるとか。でも、それだけだと売り上げが立たないっていうので、ハードハウスとかも入れはじめたりとか、そういったところもセンスを感じてたし、15Novはやっぱ面白かったよね。あとは、ディスクノート


佐伯:そうね。


Re:jector:ディスクノートの袋持ってるのってなんかアガったもんね(笑)。分かる?


佐伯:分かるー(笑)。今記憶の引き出しを開けてるんだけど、たしか狭い階段を上がって、、。


Re:jector:で、エレベーターの手前のドアを開けて、ガーって入るとガーってレコードが壁にかかってるとか新鮮だったよね(笑)。


佐伯:いや、そうっすね(笑)。で、棚がテクノ・HOUSE側とR&B・ヒップホップ側にわかれてて、、 


Re:jector:そうそうそう。HOUSE と TECHNO の差ってわかんなかったんだよ、昔って。


佐伯:確かに。


Re:jector:で、レコードを試聴してると、「これとこれ一緒にかけたら面白いんじゃん」とか、バイヤーの人たちが、仲良くなってから教えてくれるわけじゃん。あと喫茶店の花ってわかる? 


佐伯:名掛丁地下の花カレーね。


Re:jector:そうそう(笑)。多分佐伯くんは、大人になってから行ってると思うんだけど、俺とかは、高1の時からいってて、そこで学院とか育英の仲いい連中同士で、ハンバーグカレー食って、「レコード何買った?」とか「これまだあっかな?」 「俺も欲しい」「新譜出てたよ」とか、情報交換してたんだよね。 


佐伯:いい文化だったよね。


Re:jector:うん。あそこに行けばジャンプとか全部読めたしね(笑笑)。週刊系の漫画を全部あそこに行けば誰かが置いてってくれるっていうんで読めたのも面白かったよね。それでいて、レコードとか服とか、自分たちが今探してるものの情報が集まるっていうのが良かったよね。 


佐伯:今ってそういう場所はあるんすかね?


Re:jector:ないんじゃん。


佐伯:ない。


Re:jector:ないじゃん。あったとしても、飲み屋とか。


佐伯:ああ、飲み屋になるのか。


Re:jector:あと、そこにスモールドラッグストアっていう薬屋さんがあって、結構集まってる。グラフィティーライターとか。


佐伯:ここ(イレギュラー)は?


Re:jector:ここは会社だからね(笑)。


佐伯:そっすね(笑)。


Re:jector:でも、ちょいちょいみんなが遊びに来てくれる。


やらされてやってる奴らのことは好きじゃない


佐伯:ちなみに当時もっとも影響を受けたアーティストは誰でしょう?


Re:jector:間違いなくBeastie Boys(ビースティーボーイズ)だね。



佐伯:ビースティーボーイズ。一番影響を受けたのはビースティーボーイズでファイナルアンサー?(笑)。


Re:jector:ビースティーでしょう。ビースティーに影響を受けてないって言ったら全員嘘だと思うよ。


佐伯:ですね。ファッションから音楽から。


Re:jector:全部。服の着こなし方、品がない感じじゃなくて、品がある感じにどうまとめるかとか。


佐伯:なんか、そのアーティストたちや、当時のシーンから「こういう影響を受けました」、みたいなことって何か言えたりします?


Re:jector:何だろうね。


佐伯:今振り返るとって話になっちゃうと思うんですけどね。


Re:jector:影響を受けたこと? わかんないなぁ。時代が違うからなんとも言えないんだけど。何だろうね。みんなやらされてる感はないかもね。その人たちの好きでやってる感じだよね。 


佐伯:うんうん。


Re:jector:だから俺は、やらされてやってる奴らのことは好きじゃないと思うんだよね。さっき話したEMMA HOUSEはVol.1 がすごい好きだったんだけど、Vol.3ぐらいになってくると商業っぽくなってきて、なんかどっかで、やっぱつまんねえやって変わるわけよ。


佐伯:うんうん。


Re:jector:ビースティーとかさ、たぶん商業でやってないわけよ。商業ベースでやってるかもしんないんだけど、あくまで自分たちが好きでやってる感じだよね。Wu-Tangもまさにそうだし、Wu-Tangの方は捕まっちゃったりしてるやつがいるくらいだから、「おいおいおい」みたいな感じなんだけど。そういうのから影響受けてるのかもわかんないよね。 うちら(UTRC、illguler)も誰かにやってくれってお願いされてやってることじゃないからね。 


佐伯:ここはすごい大事なところですね。


Re:jector:やらされてる感じじゃないところかな。


佐伯:うんうん。


Re:jector:やりたいことを仕事に変えるみたいなところなのかもしれないけどね。


佐伯:うん。あと自分たちならできるっていうのでやっちゃうか、やっちゃわないかっていうのもね。


Re:jector:それもあるかもね。ほとんどの人がやらないじゃん。で、やるには金だけじゃなくて、気持ちも大事なんだけど、最近20代前半のスタートアップの人たちって、「情熱はあります」的なことを言って連絡をくれる人がいるのよ。「情熱あるからデザインやってください」みたいな。いやいやいや、情熱はあって当たり前だし。なのにそれをアピられても困るって感じなんだよね。情熱があって、金がなかったとしても仲間がいれば多分なんとかなる。俺にとっては、UTRCの木村とか三谷がそうなんだけど。あと、お金は後からついてくるってよく言うけど、お金は後からついてこさせなきゃいけないだけじゃん。継続と実現の連鎖のためにさ。で、そのためにやっていく。諦めないとか、継続っていうのもすごい大事で、諦めるのって結局好きじゃなくなる瞬間とか、やらされてると結局そうなる。うちらはそういうのを、やるって決めたらやり切るっていうか、絶対好きなものだからやるっていう風にしてる。そこかなぁ。ただWu-Tang Clanは金なくなったから再結成とかしてんのかな?とか(笑笑笑)。そういうところも好きなのよ。アメリカ人っぽいなぁ、みたいな(笑)。 


佐伯:そうっすね(笑笑)。ちょっとノリもよくね。


Re:jector:そうそう。Wu-Tang Clanは元々はドラッグのディーラーなんだけど、みんな結構やばかった。自分たちお先真っ暗っていう。その底辺からどう上がっていくかっていう、それがヒップホップっても言う人もいるじゃん。Wu-Tang Clanってそれの象徴なわけよ。 ドレイクとエミネム、BAD HOPとナメダルマとかがビーフやりまくったりとか、いろいろやるじゃん。あれはショーとしてお互いに高め合うっていうのもあったりするから、いいことなんだけど。Wu-Tang Clanって今までビーフを一回もやったことないんだよね。なんでかというと、別に関係ねえしみたいな感じ。面白くない? 


佐伯:いいですね。


Re:jector:あとガチで怖すぎて誰も喧嘩売らない。そしてマジでラップが上手いからかっこよすぎて誰も喧嘩売れないっていう。


佐伯:すごいっすね。


Re:jector:うん。でもそれがなんつうの?誰かのためにそのラップスキルを磨いてるんじゃなくて、多分好きでやってんだよね。


佐伯:うんうんうん。


Re:jector:たまたま同じエリアに住んでた6〜7人がWu-Tang Clanのメンバーとかやばくない?BAD HOPもそれに近いけど。


佐伯:なんかそういうのあるんだろうなあ。ジョジョのスタンド使い同士は引かれ合う的な(笑)。


Re:jector:そうそう(笑)。


佐伯:ショパンとベートーヴェンが同時代に生きてたみたいなことってことですよね。


Re:jector:なんかあると思う。面白いね。


佐伯:いや、そうっすね。 残りの質問は今の話と繋がってくると思うんすけど、昔と今だと環境もだいぶ変わってるじゃないですか。 


Re:jector:だね。


体験が伴った情報収集


佐伯:昔と今、それぞれの良いところ、悪いところって何かあります?


Re:jector:うーん、昔良かったところは、情報をひとつ取るのも大変だったからこそ、その1個の情報の深度が違うよね。


佐伯:うんうん。


Re:jector:そこは良かったなって思う。完全に体験が伴った情報収集だったよね。


佐伯:そうですね。


Re:jector:あと情報が得られる人にヒエラルキーがあったよね。


佐伯:あったあった。ディスクノートのバイヤーさんしか知り得ない入荷情報とか(笑)。


Re:jector:そうそう。情報鮮度の高いところにどうやったら行けるかっていうハードルがあったよね。 今ってさ、そのハードルがインスタとかで低くなってイーブンになってる部分もあるじゃん。それはビジネスをやってる側としたら公平性って部分があるし、いろんな人にイーブンで行くことによって、売上の算段もつきやすくなってるってのはあるかもしれない。だから、今のやり方にはメリットはすごいあるよね。それはそれとして、うちの子供たちに俺は「分かった」と、「知ってる」の差ってなんだか考えてと言ってる。 あと「見た」と「知ってる」とかも全部違うから、体験した上で見てきた感想を言語化しないと、発信する情報として意味ないんじゃない? とかはすごい言ってる。 自分の言葉で感想をちゃんと言えないよねって。


佐伯:うんうん。


Re:jector:昔だとある情報に対してさ、ハードル(ヒエラルキー)があってなかなかアプローチできなかったじゃん。で、それが悔しかった。


佐伯:店に行かないとわかんないみたいなね。


Re:jector:そうそう。で、お店の人たちは別にそれに対して優位性を持ってるとかじゃなくて、普通にただ販売してるだけだから。


佐伯:そうですね。


Re:jector:それがなんか自然な形っちゅうか。 だから、いい魚を仕入れる時の市場って、まだそういう感じなのかなと思うんだよね。  


佐伯:確かに。


Re:jector:目利きとか、そういうのね。市場とかには子供たちも連れて行きたいんだけど、嫌だって言われる(笑)。


佐伯:そうだよなぁ。食と洋服もアナログっすよね。


Re:jector:いやー、体験が伴った情報であることに価値があるんじゃないのかなっていうのは当たり前のようにみんな言ってるけど。だってさ、ビールとかお酒にしても、音にしても、なんでもそうだけど、体に入れるもんじゃん。 そこはやっぱ入れなきゃダメだよね。服を纏うとか。距離だよね。情報と自分との距離が限りなく0みたいな状態になった時が一番、体感とか体験になるわけじゃん。 


佐伯:うんうん。


Re:jector:それをやった方がいいけど、インスタなどはどの情報を自分と0距離に持ってくるかの候補を選択するのにはすごい便利だよね。


佐伯:うんうん。


Re:jector:俺は欲しいと思ったモノはガンガン買うのよ。


佐伯:いいなぁ(笑)。


Re:jector:で、それを体験してみるのね。その体験をしないで、モノづくりっていうのが嫌だから。体験しないで、考えてる時間の方がもったいないって考えちゃうから、すぐに店に入って買ったりしてる(笑)。


佐伯:うんうん。そりゃそうなんですよね。そこに気づいてる人と気づいてない人はいるでしょうね。 


Re:jector:いるいる。


佐伯:服に対して実際に袖を通してないのに、良し悪しを言ってしまう人もいるでしょうしね。


Re:jector:ほとんどの人がそうなんじゃない? まあ、俺なんかが誰かをディスることとかあまり言えないけど、どうなんだろうね。例えばファッションインフルエンサーとか、本当にわかってるのかな?とか思うよね。自分の感覚で、ちゃんと語ってるんだったらいいんだけど、PR案件で受けて誰かのためにみたいな感じになってるのであれば、目的と手段がズレている気がする。ビースティーとかWu-Tang Clanとか、やっぱ自分のためにならなきゃヤダもんね。そこがすごく大事なポイントだと思うんだよね。 


佐伯:そうですね。だからお金もらってるファッションインフルエンサーはちょっと違うっていう感じが否めない。


Re:jector:体験だよ。何でも経験というか、体感だね。体験?体感?


いまオススメのモノ・コト・ヒト


佐伯:で、最後の質問なんですけど、Wu-Tang Clanや田中フミヤ、Peter Saville、Beastie Boys ぐらいの衝撃度で、あ、この人いいじゃんって思う最近のミュージシャンやデザイナー、アーティストなど、おすすめの人がいたら教えてください。


Re:jector:誰だろう?最近のDJミックスも結構聴いてるけどね。DJだと、俺が好きなのはAayna(アーニャ)かな。知ってる?


佐伯:いやー、わかんないっす。スパイファミリーのアーニャさんしかわかんない。


Re:jector:ちゃうわ。Aayna(アーニャ)は、最近の「やべえな」っていうDJだね。みんなは、Avalon Emerson(アヴァロン・エマーソン)とかすごい好きだとか言うんだけど。


佐伯:え、なんすか?


Re:jector:Avalon Emerson(アヴァロン・エマーソン)って知らない?テクノのDJで。今すごいのよ、女性のDJ。


佐伯:へー、そうなんだ。アーニャさんの魅力はどんなところに感じてるんですか?


Re:jector:選曲のセンスだね。うまいって感じ。


佐伯:おー。


Re:jector:ほんと上手だなって思う。流れるようなミックスとかっていうことじゃないのよ。単純にセンスだね。


佐伯:へー。そうなんだ。


Re:jector:あと、デザイナーは誰だろうなぁ。


佐伯:いなかったら、それでもいいんですけどね。


Re:jector:絵ではこいつ面白いなってのがいるよ。


佐伯:おお。


Re:jector:米澤柊。アニメと現実が混ざってる感覚のやつなんだけど。良くない?



佐伯:へー。


Re:jector:おもろ!と思って。まだ若いんだよね。


佐伯:映像もやってるんだ。


Re:jector:そうそう。インスタレーションとかもやったりしてんだよね。


佐伯:チェックします!


Re:jector:あと、最近のデザイナーで好きなは人はいないかも(笑)。デザイナーで好きだったのは、一緒に仕事したっていうのもあるけど、ヴァージル・アブローかな。 



佐伯:おー。レジェンドっすね。


Re:jector:やっぱすごかったねー。年齢は、俺らと変わらないからね。


佐伯:実はヴァージル・アブローは俺も好きで作品集とか結構買ってるんですよね。


Re:jector:あれやばいよ。


佐伯:あの人は本当に、すごい。


Re:jector:OFF-WHITE のアウトプットを建築物みたいな感じで出してたり。


佐伯:うんうんうん。


Re:jector:店も美術館みたいな感覚じゃない?


佐伯:うんうん。


Re:jector:上手よね。


佐伯:そうですね。ヴァージル・アブローの仕事は新しい概念とか意味を作ろうとしてる片鱗が見えるんだよなぁ。


Re:jector:面白いよね。


佐伯:じゃあ、デザイナーは強いて言えばヴァージル・アブローっすね。


Re:jector:誰だろうな。デザイナー、、、いないけどね(笑)。


佐伯:それも一個の答えじゃないですか。今の時代を象徴してるかもしれない。


Re:jector:うーん、いないねー。グラフィックデザイナーとかは特にいない。タイポグラフィーも。


佐伯:さっきの話だけど、みんな仕事が忙しすぎて元気がないかもしれないですね。なので、やらされてる感が出てしまうという、、、。


Re:jector:うん。そうだね。でも、軍司とかはやっぱ好きだね、友達っつうのもあるけど、あと歌磨呂はやっぱすげえなと思うよ。 日本に帰ってきて、朝4時ぐらいまでここで二人でゲラゲラ笑いながらアニソン聞いてた。 


佐伯:おー。いや、ありがとうございます。突然ですが結構いろいろ聞けたんで、インタビューはここまでということで。昔と今とRe:jectorさんのお話から本質的なことから最新情報まで見えた気がします!


Re:jector:うすー。


Edit_Shinichi Saeki


グラフィックアーティスト、アートディレクター、映像作家。様々なメッセージや感情をより鮮明なイメージに変換し、視覚的媒体へと落とし込む。ペインティング、コラージュ、映像、インスタレーションを中心に、多岐にわたる表現で作品を発表している。

Dugup?

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